佐藤忠良 子供の美術(小学校教科書) [芸術]
子供の美術(小学校教科書)
この本を読む人へ
佐藤忠良
図画工作の時間は、上手に絵をかいたり、ものを作ったりするのが、目当てではありません。じょうずにかこうとすることよりも、見たり考えたりしたことを、自分の感じたとおりにかいたり作ったりすることが大切です。しんけんに、絵をかき、ものを作り続けていると、じょうずになるだけでなく、ひととしての感じかたも、育ちます。このくり返しのなかで、自然の大きさがわかり、どんな人にならなければならないかが、わかってきます。これがめあてです。
むかし、ひとはいしをつかってくらしていました。そのころでも、ひとはえをかきました。ひとのかたちをねんどでつくりました。(一年)どうはおよそ5千年前、ひとがつくったさいしょの金ぞくです。どうとすずをとかしてまぜ、かたちにします。(2年)石やどうよりも強い鉄は、3千年まえからつかわれています。鉄のおかげで、じょうぶな道具も作られて、人々のくらしもゆたかになりました。(3年)今のこっているまちも、むかしの人々がよく考えて、力を合わせてつくったものです。(4年)ものを作っている人々のすがたを美しいと感ずる心は、世界中どこでも同じでした。(5年)人が立って歩いてから二百万年以上たっています。人の生活を大きく変えた車は、作られてからまだ五千年しかたっていません。(六年)
佐藤忠良はこの本を、本当は誰に読んでほしかったのだろうか。子供たちなのだろうか。子供たちにしか託せない、そんな現状に押しつぶされていたのではなかろうか。芸大教授として大学人として指導的立場にありながらも、すでに小学生にしか、希望の持てる日本人がいなかったということなのだろうか。あと30年この惨状が続くということなのだろうか。教育とは奇ナルものだ。あたりまえのことがあたりまえであるようにありたいものだ。美術というものが人間性の糧なのだろう。
by churaumi (2012-07-13 19:39)
若駒の
集う姿に
期待する
明日の文化
明日の日本
by churaumi (2013-03-31 08:17)
観音の
白き額に
夏椿
初島
by churaumi (2013-06-16 21:50)
春浅し
熱き心の
吉田山
by churaumi (2016-02-21 22:59)