檜洞丸Ⅱ [登山]
檜洞丸青ヶ岳山荘は深い雪に埋もれていた。激しい体力と精神力の消耗。登頂の代償である。まだ誰も居ない。寒い。10本の指先はいつまでたっても痺れがあり、温かくならない。全身が冷えたままで温かくならない。小屋のなかは外気温と同じである。カロリーの高い非常食を食べる。手足の指先はいくら擦っても痺れたままである。初めての経験である。身体のなかでは股の間が暖かい。でも痺れは引かない。その日の登山者は、小屋番グループと常連グループほかで、15人ぐらいであった。登りの途中で引き返した若者が居た。旧正月の休みなので中国から帰国、この登山に来たという。母が下で待っているという。時間の関係から、ほぼ山頂近くでユーターンする。実に爽快な青年であった。お母さんも良い息子を持って幸せでしょう。この日は積雪のため、犬越路。蛭ヶ岳、大室山方面は登山計画を変更して下山した登山者がでた。晩飯はたら、豆腐、白菜などの入った鍋。みんなでつついて食べた。皆さん単独登山の私にも親切で、かなり甘えてしまいました。日本酒、ワイン、などや豚角煮などおつまみが出され、手ぶらな私にも勧めていただきました。気兼ねせずいただけました。ご馳走になりました。雰囲気は新宿の歌声喫茶のようである。ほぼ同年代でもありそうだった。青春時代、同級生たちとの合宿のようである。白髪の親父が青春を語る風景である。NYで活躍したという女性のブルースが夜遅くまで流れた。プロ歌手の声は素敵である。こんな雪山でコンサートが聞けました。予想だにしない経験でした。朝起きると積雪は一段深くなっている。ラッセルが必要である。ルートも消えている。下山だけであるが、気の重い下山である。朝飯は目玉焼きとベーコン野沢菜等、味噌汁。実にうまい手作り料理である。もちろん晩飯もそうであった。珈琲をご馳走になって、下山した。すばらしい個性の持ち主たちとの、語らいであった。若返りました。
最近の丹沢、全山テント禁止である
むかしは登山といえば天幕設営が基本であった
山行、衣食住のすべてをキスリングにつめて移動した
当然のようにである
良きむかしである
でも
今
ここで山小屋泊まりのよさを
楽しんでいる
by churaumi (2008-03-23 05:19)
テーブルを
拭きながら見る
丹沢の
縦走路は
我をいざなう
by churaumi (2012-02-22 22:20)
窓越しの
葉の色づきに
塔の岳
by churaumi (2015-10-17 16:00)
中置きに
にえの中にも
山の友
by churaumi (2015-10-17 16:05)
あしたの会
心の隙間
名残なる
by churaumi (2015-10-17 16:08)
父母に
まだまだ楓
げんきだよ
by churaumi (2015-10-17 16:12)
子にこの子
豊穣の秋
伴にある
by churaumi (2015-10-17 16:23)