蛭ヶ岳稜線
丹沢山みやま山荘を出ると景観がガラっと変わる。人に触れない自然がそこにある。熊笹の群生は密である。登山道は群生の中にわずかな幅で残っている。人間の登山道がかわいらしく思える。人が植物の根を踏まないので、ささに元気がある。難しい共生なのである。立ち枯れのような大木が幻想的にそびえている。蛭までの稜線はこの景色が続く。稜線を歩くのは気持ちがいい、お山の大将になったようだ。稜線は東西に伸びており南側北側とも見下ろすことが出来る、実にいい眺めである。くまざさの上に寝転がって、うたた寝をする。お花畑は無いが、これが丹沢の素敵なところだ。風が吹いても登山者が歩いても、くまざさはざわつく。これがまたいい。昔も今も丹沢に来るとくまざさが迎えてくれる。いつまでもこの感性を持ち続けたいものだ。何も無い風情だがくまざさがある、十分である。
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