「利休にたずねよ」 [文学]
新刊を買うのは久しぶりである。馳星周以来か。時々ではあるが、ほとんど文庫である。表題とその一輪 木槿(むくげ)のせいであろう。衝動買いである。たずねよとは何をたずねよというのか。天下人であり茶人でもある秀吉が利休に尋ねる。天下人秀吉の茶の湯 利休の茶の湯 対極に見える天下様二人、求める茶道に見る極美は同じものなのだろうか。むくげは高麗人が特に好むといわれる。私も好きだ。清楚にして美しく気高い存在は尊い女性の生まれ変わりではなかろうかと、思えてならないほどである。東寺に咲くこの花も、利休の二畳の小間では、妖艶である。美しさを求めることは、死をも賜る必要を生むものなのだろう。「茶が人を殺すからでしょう」と利休は言う。
下張りの
煮えのおときく
やまざくら
by churaumi (2009-05-06 08:52)
詫び茶に
井戸茶碗の
良き景色
作りし工の
こころ思わん
by churaumi (2011-03-07 11:57)
炉に代わり
お稽古もまた
心機なる
by churaumi (2011-11-09 22:03)
黒楽の
みこみに残る
神林
この時にあり
有難きかな
by churaumi (2014-08-16 23:07)