今月の主菓子 長月 [茶道]
望月 つきみうさぎ 月兎 名月 終夜(よもすがら) 今月の主菓子の銘には4件も月が付く。9月の季語には月の付くものが一年を通じて一番多い。芋名月、中秋の名月、長月、夜長月ともいう。秋の夜長はお月様と、鈴虫の音が合う。庭のススキの向こうに真ん丸なお月様。いつまでも残したい景色だ。縁側にはだんごとふかした芋がある。今月のお月様は、なんとふくよかなことか、たくさんの、幸せをはこんできそうだ。祈願。
般若湯 [食文化]
心の落ち着ける場所がある。学生時代は精神修養のばである山であった。社会人にあっては、八重洲のちか居酒屋、都にあってはここか。日のあがりきる前から、ちりめんじゃこをさかなに般若湯をいただく。ここも老舗なのだろうか、居心地がいい。ほろ酔い加減で、さんどうをあるく。酒とは智慧の湧きいずるお湯とのこと、これならば、山門をくぐるをはばからずである。雪舟の枯山水庭園で瞑想する。軽い寝息は、竹林のざわめきにかき消されている。長月には、ここがいい。月見でいっぱい。この月の季語にはいろんな月がいっぱいある。読書もいい、酒もいい、お月様が一緒であればなおいい。